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ゆっくり早く

過去のブログより

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エアライン勤務で鍛えられた「ついで志向」

ある時期に嫌というほど叩き込まれたスキル。
「ゆっくり早く」
わけのわからない表現だけれども気持ちはゆっくり仕事は速くということ。
エアラインでの動作加減。

新人の頃は「なんでそんな遅いの!」「頼むからもっと速く仕事して!」「速く!」「早く!」
と顔は笑顔のまま、小声で言われるのだ。(ああ怖っ・・・)

「ゆっくり早く!」「早く!」

 

新入り時代はそんな洗礼を浴びる。
先輩の面々からそんな指摘をうけなくなる頃には
今度はその気持ちがよくわかるようになる。
猛烈なスピードで仕事をこなすという強烈な体験。

もう一つ。
「アップダウンを繰りかえすな!」

 

ギャレイから出て通路の前から後の席まで「一歩き」の「一往復」で
細々とした用事を無駄なく一回ですませること。
飲み物・新聞以外にも、ありとあらゆる各々のリクエストを一気にこなす。
メモをとっているようでは時間もかかるし半人前。
とにかく全部一度に覚えて、細かく応じる。

一気にあるとき、ついでにいっぺんに所用や仕事をするという傾向は
このときの経験が沁みついているのかもしれない。

宅配便のお兄さんたちが小走りに仕事をこなしているのをよく見かけるけれど
あのフットワークできっとロスタイムを減らしているのだと勝手に思っている。

同じように「一気についでにいっぺんに」大量の仕事をするとき
気持ち的には小走り状態で身動きをしている。
同時進行で違うタイプのことをあれこれやるものだから速さが必要なのだ。

 

 客室での食事サービスは通路右と左とで競争するようなものだ。

カートからあっちが遅かったら目配せしたり、逆にこっちが遅れていたら内心焦り始める。

よーいドンで始めたら、できるだけ同じペースでサービスを早くすすめるのが暗黙の了解。

 

ロスタイムをなくせ。早く早く、笑顔でね。

エコノミー前方が遅かったら、後方部員が助けに来る。「なんでそんな遅いの?」みたいな。

そんなことされたらこっちの台所(ギャレー)の沽券にかかわるのだ。

 

だから自分の担当する台所で一緒に働くクルーの勤務年齢が、今日のフライトに大きく影響してくる。

「え、あなた新人?オーマイガー・・・。」

 

2年目くらいから、挨拶のときがっかりされたりしない。3年目くらいから逆に喜ばれるというより、頼りにされる。

 

誰もが最初は新人で遅かったことなど忘れる。

勤務年数が物をいう世界なのだ。