英語は体当たり

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使い物にならない英語

留学などしたことがなかった私が、英会話の勉強を社会人になってからはじめたのはエアライン採用試験のためでした。

この時点でTOEICスコアは600もないレベルだったかと思われます。

NHKのラジオ講座などで独学し、通っていた英会話スクールの中級コースで「上手に話せますね!」とほめられて安心しきっていたのが、採用後にいざ現地へ行ってみると「なんてひどい英語!もっと慣れないとダメ。」という一撃をくらったのです。

英語を公用語とする国のエアラインで訓練が始まったその頃は、身につけきたはずの英語力がほとんど通用しませんでした。

いちからやり直しせざるを得ないことを痛感して、絶望的な気分だったのを今でも覚えています。

結局のところ、日本の英会話スクールで外国人講師からほめられる程度の英語力など、仕事では「使い物にならなかった」のです。

「英語は習うより慣れよ」

そんな苦い経験を持つ私の英語習得法のアドバイスはこれに尽きます。

「英語は体で覚える必要がある」ヘンな言い方ですが、ことわざでいう「習うより慣れよ」です。

Practice makes perfect.

毎日英語に触れて、毎日英語で話すという実践を行わない限り、永遠に話せるものではない気がします。

(ただし座学だけで簡単にマスターできるような、頭脳明晰なレベルの人のことは知りません。頭の回転が鈍い自分を基準にしての話です。)

「 必要に迫られて」が英語習得への近道

もし条件さえ許すのなら仕事でも留学でも何にしても、英語圏で生活することをおすすめします。海外駐在のチャンスがあるなら超ラッキー。

なぜなら意思疎通が英語のみという地で、英語を使わざるを得ない状況に身をおき、「必要に迫られる」ことこそが、一番確実に英語が上達する方法だと思うからです。

こちらの話す意味が通じなかったり、言い間違いや失敗をくり返すなどの情けない思いしてこそ、英語が体得・習得できるというのが失敗から得た私の持論です。

たとえば海外暮らしでは、生活全般の諸手続きを何でも自分でする必要があるわけです。

日常の買い物や食事、ビザの申請、住まいを借りる、給与の受け取り口座の開設、医者に診てもらうなどの所用で「コレって英語でどう言うの?」等、とっさの言いまわしに悩むことがよくありました。

ちなみに多かったのがエアコンの修理依頼。(→スローペースなのです・・・)

日本と違って、考えられないレベルのトラブルや不条理に遭遇することがよくある海外では、そんな事ごとに対処する手段としての英語が必要不可欠となってくるのです。

こんな時に使った英語表現はまさに「体で覚えた英語」です。体当たりで身につけたので一生忘れません。

「必要に迫られて」

これが英語習得への早道だと、私は思います。

生活するだけでなく勉強や仕事も同時進行なので、そうこうしているうちに自然と力がついていったような気がします。

現地の友人とのつきあいも上達のスピードを加速させてくれました。

一年経ったくらいでしょうか、英語を使う仕事と生活の両面で落ち着いてきた頃は、「水を得た魚のように」毎日が充実し始めました。

英語力だけでない、その後に得られたもの

たったの4年に過ぎませんが、エアラインの仕事&海外生活のあとに受けたTOEICスコアは730でした。座学の対策など何もしない状態で受けたのですが、海外駐在員レベルのぎりぎりラインです。

大したスコアではありませんが、接客の仕事で現地クルーと意思疎通する外資系エアライン志望の方や、旅行や生活面で不自由しないレベルの目安になるかもしれません。

聞くこと・理解することがまあまあでき、最低限の言いたいことは伝えられていたようです。

また、エアラインの仕事や生活を通して英語を身につけたことで、自分が得た糧のひとつが「世界中のどこに行っても、物怖じしない自信があること」です。英語さえ話せれば英語圏でない国でも、ひとまず安心なのです。

これは英語を話す能力に限った話ではありません。

コミュニケーションでの「聞く」、「伝える」力というのは、相手の国民性や価値観、文化や習慣を理解した上で成り立つものです。

いろいろな国の人たちと渡り合い、協調していく処世術も得たような気がします。

また「自己主張」することの大切さも思い知りました。自分の言いたいことを伝えないと、やられっぱなしなのですから・・・?!

エアラインの仕事と生活の両方で、いろいろな意味でかなり鍛えられました。

ほかにも、身振り手振りのジェスチャーを交えたり、会話に大げさな程、抑揚をつけるなど「伝えたい」気持ちがあれば、英語が間違っていても十分通じることがわかりました。

異文化に身をおき、現地の人と英語で触れ合うことで、視野も広がり、世間知らずだった自分も人間的に成長することができ、強くなれたような気がします。

現役ではなくなった今は、趣味で音楽・ドラマや映画、海外サイトを楽しんでいます。その後の人生が英語を習得したおかげで広がり、豊かになったと思っています。

英語を勉強する目的や動機は人さまざまです。誰しも置かれた状況で目的に応じた、最適な学習をすることが大事かと思います。

それなりの対策をすればスコアアップは可能とのことですが、会社でTOEICが必要だからと高得点をとるためだけに勉強するよりは、英語で誰かとコミュニケーションをとる手段としての「通じる英語」「使える英語」を学ぶ方がずっと有意義なのではないでしょうか。

最後に

もし私が、若い世代の身内や親しい人に「どうやったら早く英語を話せるようになる?」と聞かれたらこういうと思います。

「とりあえず日本を出るのはどう?」

それが無理なら、とにかく似たような環境を自分で作って、実践で英語をアウトプットしてみてはいかがでしょうか。

私の時代とは違い、今はオンラインサービス、アプリなど便利なツールにあふれているのでうらやましいほどです。

「若いときの苦労は買ってでもせよ」 Heavy work in youth is quiet rest in old age.