チーム②

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この記事は上の続きです。

忘れられない人たちと思い出

クルー8千人は在籍していたというし、彼らは世界中の運行路線を飛んでいる。一方私達が主に乗務するのは日本人乗客が多い日本行きの便なので、同じチームと再度フライトするということは、まずなかった。

チームのメンバーが親日家だったり、優しい人ばかりのチームと一緒するフライトは、リラックスしてサービスに努めることができた。チームワークが良く、皆が仲良しでいつも笑顔が絶えない間柄の、まるで家族のような暖かいチームもあった。

それもトップの「人となり」次第だったかもしれない。上の人の考えやアクションはチーム全員に影響を及ぼし、「右へならへ」とばかりに、下々に至るまで同じアクションをすることは先に書いた。

だからそんな良きチームとのフライトを終えるときは、別れが惜しいほどだっだ。

つまりもう一度、あのチームをご一緒したいと望んでも、それが実現することは一度もなかったのだ。乗客もそうなのだけれど、一緒に働くクルーともまさに一期一会というわけ。

今でも胸に熱い想いがこみあげてくるほど、忘れらないない記憶に残る素敵なチームはたしかに存在した。

そして通常はフライト先でのステイ中、日本人CAとローカルクルー達とはほとんど交流がないのだけれど、あまりにいい人達だと、よそ者の私達も一緒に過ごそうと誘ってくれたのだ。

例えばロス便でUSJやナッツベリーファームへ、皆で一緒に行った時は本当に楽しかった。そんな時は必ずムードメーカーみたいな人がいて、橋渡しをしてくれた。明るくてひょうきんで、皆の人気者だった彼らのことは特に忘れられない。

本来エアラインクルーになるべき人はこんなタイプの、人懐こく、優しくてサービス精神旺盛な人であるべきなのに、実際は案外そうでもなかった気がする。他の人は基本的にナイスないい人ばかりなのだけれど、それでも「卒なく適度に表面的に接する」くらいの仲だったのでほとんど記憶がない。

また同じくロス便でファーストクラスに乗っていたハリウッドのプロデューサーの自宅に、その便のクルーが招待されたことがあった。

その時の映画で見るような光景が今もよく覚えている。ホテルに黒塗りのリムジンが迎えにきて、皆でキャーキャー言いながら乗り込み、郊外、高台のプール付き豪邸ではバーベキューをごちそうになった。

めったにあることではないのだけれど、優しくない人たちなら多分私達まで、声掛けしてくれなかったと思う。

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Image about girl in Travel by devilleda_1 on We Heart It

チーム?ソロ?

さてこれを読んでいるあなたがフライトをするならば、チームフライトで乗務することを望むだろうか?それとも期間限定でチームに仲間入りするフライトを好むだろうか。

この世で選べないのは・・・

親と隣人と上司といわれるけれど、嫌な上司や同僚と働くことほど辛いものはない。

仲間でいつも仲良く?一緒にフライトすることで気心も知れて、仕事面だけでなく、公私共にスムーズな関係ができれば一番なのだけれど、そううまくいくことばかりでないのかもしれない。

フライトという特殊な勤務形態は、たとえばロングフライト中の閉鎖的な客室以外でもステイ先のホテルや、先輩と食事やオフのショッピングなどの行動を一緒にすることが多いようだった。

ずっと集団行動、スタイルこそ違っても会社組織で働くの変わらない。 彼らの中に飛び入る私達は、さながらフリーランスや助っ人役。その時は力の限りチームの一員となって仕事するのだけれど、フライトが終わればそれっきりだ。

ところで当時、日本の某エアライン国際線に親友がいたある同期によると、その親友が在籍していた会社でも、同じようにチーム制でフライトすることになっていて、その人がいつも「辞めたい」と愚痴をこぼしていたという。

その理由は若手だったその人が、早々に寿退社することを報告したせいで、お局様に睨まれてその後のフライトで辛く当たられるというのものだった。

「何よあの子、ろくに仕事もできないくせに」ばりに、あきらかに以前と彼女に対する接し方が変わり、ムラハチになったとのこと。人も羨むナ◯ョ◯ルフラッ◯も、女性でも長く在籍すればするほどキャリアと給与が男性の管理職並にアップするので、やたら理想だけ高くなり独身の人が多いようなことを話していたそうだ。もちろん聞きかじりで、本当のところはよく知らないのでご了承を。

とにかくいろいろな意味で自分には外資系が合っていたし、Go Solo のいわば「一匹狼」で働けることが有難かった。

チームのメンバーがどんな人達であろうと、サービスや彼らのやり方をどんな風に強要されようと、それなりに合わせることができた。

同時な彼らに対してはナイスな良い態度を保ちつつ、基本は自分の信念を大切にして、一本一本を全力投球の仕事をしてきた(新人の頃を除いて・・・)自負がある。

その代わり、自分がどれだけ良いサービスをしたとしても誰も認めてくれない。だから必然的にストイックにならざるをえなかった。自分に厳しく、心の中では「もっと良いサービスを」といつも葛藤していた。それに辛く当たられたときにフォローしてくれる人もない。最悪なケース、他のメンバーもつるんで攻撃してくることもあった。そんな時は孤独を感じるし、精神的にタフにならざるを得なかった。

誤解のないよう付け加えておくけれど、そんなことは数回程度だったし、どこの世界にも自分に辛くあたる人物というのはすくなからずいるはずだと思う。

最後にsoloの良いところを。

どれだけ嫌なヤツ苦手な人達と働いても、そのフライトが終われば「では、さようなら。」「二度とお会いしたくないです。」と心のつぶやくだけで済むこと。金輪際、空港や街ですれ違うことさえなかったのだから。

その代わり、再会したい人とも同じ運命だったのが哀しい。